ミャンマーの上下両院の議長・副議長が決まって,当社や日本にいるミャンマー人がいつもより浮かれていたり,政治談話が激しくなったりしている。ミャンマー人の長い話が,いつもより磨きがかかって長い。毎日電話がなかなか終わらない。政治家でなくても政治を自分のものと考え,党首はああせよこうせよ,ODAはこうせよああせよと,さまざまなことを熱く語っている。
いまバッとミャンマーニュースをチラ見したところ,上院議長はカレン人(NLD・スーチー氏暗殺時に共に殉死したカレン人の孫),上院副議長はラカイン人(ANP,私も大変お世話になっているウーエイターアウン),下院議長はビルマ人(NLD),下院副議長が旧与党で軍関係党USDPの少数民族出身者・おそらくシャン系の人(本当にバーっとしか見ていません)だった。
議会の議長,副議長4人のうち3人が少数民族,しかもメインである下院副議長に軍関係の党員を付けるNLDのバランス感覚に,おもわず感嘆してしまった。ミャンマー国内で懸案事項であるメイン民族ビルマ族と,少数民族の融和を考慮した配置だ。そして軍への配慮が伺える。
インターネットの動画ニュースで国会召集前の研修の様子を見て,かつてミャンマー議会でこんなにオレンジ色のタイポン(スーチー氏率いるNLD議員が着る上着)があちこちにいるなんて,本当に考えられないことだった,としみじみしていた。
もしこのままスムーズに政権移譲が進めば,2016年1月28日は,軍事政権に対抗して日本に亡命した当社社長の分岐点になる日だと思う。
政治は,政治家が泥を飲まねばならない場面であっても,政治家自身の処遇より多くの国民の利を追求することだと思う。これからのミャンマーの政治は,ますます目が離せない。
(2016年1月28日 みやまさえこ)
※このコラムは当社ブログにも掲載しました。
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