ヤンゴンの北西約300km、ヤンゴン都バガンのほぼ中間にピイはある。古代ピュー族の王朝タイエーキッタヤーの首都ピューが存在していたのはこの付近だ。現在のピイはバガン王朝時代、エーヤワディー川に望む交易都市として建設されたもので、イギリス植民地化以降、上ビルマと下ビルマを結ぶ河川輸送の重要な中継地点として発達した。1877年に開通したこの国最初の鉄道路線は、ヤンゴンとピイを結んだ。現在でも水運の中継地として栄えている。
また、エーヤワディー川東側にある比較的大きな町で、市街を見下ろす丘の上には黄金のシュエサンドー・パヤーがそびえている。商店や食堂が並び賑やかなのは、ボーヂョーアウンサン像の南北に走るランマドウ通りLanmawdaw Stとヤンゴン・ピイ通りYan-gon Pyay Rd。駅前にも食堂やティーショップがある。川沿いのストランド通りは、夕方になると涼を取る人たちでにぎわう。通りから下りた河川敷にもティーショップが出る。
シュエサンドー・パヤー (Shwesandaw Paya)
ヤンゴンのシュエダゴオン・パヤー、バゴーのシュエモード・パヤーと並ぶミャンマー三大仏塔のひとつで、聖なる巡礼スポットになっている。丘の上にあって眺めもよく、エーヤワディー川やピイの街並みを一望出来る。仏陀の頭髪が祀られているとされており、周囲にも東参道口の大仏をはじめ仏像や寺院がいくつも散在している。
タイエーキッタヤー(Thayekhittaya) スリ・クシュトラ(Sri Kshetra)
ピイの北東約9kmにある、ピュー族の古代王国タイエーキッタヤーの遺跡群。城壁に囲まれた中やその周辺に、王宮の跡、寺院跡、仏塔等が残っている。砲弾型をした独特な仏塔が3箇所あり、見逃せない見所になっている。見所は離れて点在しておりわかりにくいので、モウザ村Hmawzarにある博物館で道を尋ねるといい。博物館の職員に案内も頼めるが、いくらかの謝礼は必要になる。雨期は道が荒れるので、牛車をチャーターしないと回れない。
シュエミェッマン・パヤー(Shwemyethman Paya)
ピイの南14km、シュエダウン村にある寺院で、メガネをかけた大仏が祀られている。もともとは土地の貴人が好奇心を誘って人々の信仰心を高めようと仏像にメガネをかけたのだが、いつしかこの大仏が病気、特に眼病を治すと信じられるようになった。初代のメガネは壊れ、2代目は盗まれてしまい、現在かけているのは三代目。本道入口に有る大きなケースにはこの仏像のご利益で目が良くなった人が納めた、不要になったメガネがたくさん保管されている。
シュエナッタン・パヤー(Shwenattaung Paya)
広々とした田園地帯の中の、緑の濃い森の高みに威風堂々とそびえ立つ、「黄金の魂の山」という名の仏塔。タイエーキッタヤー時代の創建と思われるが、現在のものは後期バガン様式を示している。
ゲートをくぐるとすぐ左側に蓮の池が有り、その奥の高みにあるのがシュエナッタン・パヤー。右側にあるのはシンチョムニ・パヤーで、顔以外すべて黄金の絢爛たる大仏を拝観できる。ここにも小さなメガネをかけた仏像がある。
シェナッタン・パヤー奥のマシン・パヤーには宝石で飾られた小さな仏像が大切に保管されている。
【出典 地球の歩き方 ミャンマー(ビルマ)】